生き恥曝しても死に恥曝すな
生きているうちに恥をかいても、死後に残るような恥をかいてはいけないということ。

settou

窃盗町 しかしラサ府に着くまでの道中でこの駅場の人程悪い人はないのです。実に薄情でその上旅人の物を盗むことがごく上手なんです。荷物でも運送品でも何でも構わず盗みますが、その盗み方がまたなかなかうまく盗まれた人もちょっと分らんということです。どうもチュスル位盗人の盛んなところはないとチベット国中で評判して居ないところはなく、私も前々からチュスルに行ったら注意をなさいということを度々人から聞いたです。それ位盗人を巧妙にやりますし、ことに此駅は多くの人の寄り集まるところで金も沢山落ちるところですから非常に金持が多かろうと思って尋ねますと、他の村方よりは貧乏人が大変に多いと言う。実に奇態な話です。それから私共は充分用心をして其駅で昼飯なんかを済まし、馬がないものですから歩いて東北の原に進んでキーチュ川に沿うて上って行きますと、ますます足が疼くなってどうにも動くことが出来ない。原の中に坐り込まねばならんようになりましたが、幸いに後の方から驢馬追いがやって来ましたので、その驢馬に乗せてもらって四里ばかりの道を経てジャンという駅に着きました。その駅で今まで送って来た荷持男はぜひ還さねばならんような事が起りまして、仕方なしに還してしまいました。 情報商材 レビュー
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