生き恥曝しても死に恥曝すな
生きているうちに恥をかいても、死後に残るような恥をかいてはいけないということ。

MInako

 美奈子は、さう思ひながら、そつと母達から離れる機会を待つてゐた。が、母は故意にやつてゐると思はれるほど、美奈子から眼を離さなかつた。美奈子は、仕方なしに、一緒に部屋へ帰つて来た。  部屋に帰つてから、暫くの間、瑠璃子は黙つてゐた。五分十分経つに連れて、青年がぢりぢりし初めたことが、美奈子の眼にも、ハツキリと判つた。而も、青年がいら/\してゐることが、自分がゐるためであると思ふと、美奈子は何うにも、辛抱が出来なかつた。自分が、青年の大事な大事な機会の邪魔をしてゐると思ふと、美奈子は何うにも、辛抱が出来なかつた。 「妾、お母様、図書室へ行つて来ますわ。一寸本が読みたくなりましたから。」  美奈子は、さう云つて、母の返事をも待たず、つか/\と部屋を出ようとした。  母は、駭いたやうに呼び止めた。 「図書室へ行くのなんかおよしなさいね。昨夕は出なかつたから、今日は散歩に出ようぢやありませんか。」  美奈子は、一寸駭いて足を止めた。ふと気が付くと、青年の顔は烈しい怒りのために、黒くなつてゐた。 定期保険安い
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