生き恥曝しても死に恥曝すな
生きているうちに恥をかいても、死後に残るような恥をかいてはいけないということ。

problem2

 問題は、だから、そんなところにあるのではなく、かゝる無秩序そのものが、支那人の神経をさほど焦らだたせないのだと見る方が当つてゐるかも知れぬ。それゆゑ、どうかしたらよささうなものだと思ふのは、実は、こつちが見るに見かねてさう思ふのであつて、支那の巡査は、なに、これぐらゐのことはなんでもないと、案外、芝居をするやうなつもりで、ひと通りの役目を果してゐるのだとしたら、更に、支那といふ国は、恐ろしい国だと云はねばなるまい。  バスには私のほか、四五人の日本人が乗り込んだ。こつちも別に口を利かうとは思はず、向ふも、私の存在に注意を払ふ様子はない。同じ外国の旅でも日本が近すぎ、日本人を見あきてゐるせゐであらう。  古色蒼然たる大型バスを、でつぷりと肥つた運転手が、急がず慌てず操縦する。乗心地はさうわるくない。  厚い壁の上に葉の細かな並樹がしつとりと枝を垂れ、街は人通りがすくなく、乾いた路面が煙つたやうに長く続いてゐる。朱塗りの門をはひると、公園のやうな広場へ出るが、そこはもう、北京ホテルの前庭である。  堂々たる四階建の洋館が、なんと、がさつに見えることか。正面の廻転扉を押すと、中は国際色に満ちた大ホールである。西洋人の幾組かが茶を飲んでゐる。日本の将校が二人、中央の階段を駈け上る。帳場では、英仏日支の国語がちやんぽんに使はれてゐる。両替をするところがある。欧洲語書籍の売店がある。土産物の陳列棚と、その番をしてゐる支那娘がある。VALID SEO いまどきのSEO対策 ウィルゲート ヴォラーレ
 
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